2025/07/01 0:54:18 / 執筆 Margarita Núñez
動画ローカライズの一般的な料金体系
動画のローカライズに慣れていない方にとっては、専門用語が少し難しく感じられるかもしれません。
結局どういうことなのかよくわからないということもあるでしょう。以下では、各費用項目が何を意味し、各工程でどのような作業が行われているのかを詳しくご説明します。
動画ローカライズの見積りに含まれる費用項目は、会社によって若干の違いはあるかもしれませんが、概ね以下の主要カテゴリに分類されます。
プリプロダクション(事前準備)
- プロジェクトのセットアップ:この工程では、お客様から送られてきた動画ファイルをダウンロードして保存し、ファイルを開いて視聴します。必要な素材がすべてそろっているか、ファイルが正常に再生できるかなどを確認することが目的です。
- 音声収録用の声優の手配:ここは特に力を入れている工程であり、動画に最適な声優を探します。声のトーンや声質が動画に合っているか確認し、収録のタイミングに合わせてスケジュールを押さえます。
- スクリプトの文字起こし: 元の音声を聞き取ってWord文書に書き起こした後、音声品質保証(QA)担当のエンジニアが内容を確認し、抜けやミスがないかチェックします。
- スクリプトへのタイムコードの挿入:この工程では、スクリプトにタイムコードを挿入します。これにより、声優とエンジニアが次のスライドに進むタイミングを把握できます。
- 翻訳対象の画面上のテキスト(OST)の抽出:動画内のグラフィックにテキストが含まれている場合は、それらをファイルに抽出(コピーペースト)し、翻訳するために送付します。
プロダクション(制作)
- スクリプトとOSTの翻訳・レビュー: この工程では、経験豊富な翻訳者が翻訳を担当し、単にテキストを訳すだけでなく、貴社の伝え方やトーン、ブランドイメージに合っているかも確認します。
- 選定した声優による音声収録:この工程は非常に重要であり、選定した声優が翻訳済みのスクリプトをスタジオで録音し、その音声の品質が良好で、聞き取りやすく、貴社の要件に合致していることを確認します。この工程が重要なのは、何か問題があると、セッション全体またはその一部を再録音しなければならず、費用や納期の面でプロジェクトに影響を与えることになるからです。
- 録音した音声の編集:この工程では、オーディオエンジニアが最終的な音声ファイルに仕上げます。具体的には、ブレス音やポップノイズ(マイクに息がかかって発生する雑音)を除去し、間違ったテイクを削除して、音声ファイル全体で音量が一定であることを確認します。
ポストプロダクション(仕上げ)
- ローカライズされた音声の動画への統合:編集が完了した録音音声をオーディオエンジニアが元の動画に挿入します。
- ローカライズされた字幕の動画への統合:音声の場合と同様です。字幕を希望された場合は、ローカライズされた字幕をエンジニアが動画に挿入します。
- 動画内の画面上のテキスト(OST)の差し替え:上記とは異なり、翻訳を動画内の正しい場所に貼り付けます(元のテキストを翻訳に置き換えます)。
- 最終動画の品質保証(QA): 最後に、ローカライズ動画を再生し、元の動画と比較しながらチェックして、完全にローカライズされていて、納品できる状態になっていることを確認します。
プロジェクト管理
上記すべての工程で、スケジュール調整や予算管理、お客様との確認作業、問題の解決、すべての素材の管理調整など、非常に多くのプロジェクト管理業務が必要となります。場合によっては、必要なファイルを入手するために、お客様に代わって動画制作元に連絡を取ることもあります。
法人のお客様で、次回の動画プロジェクトでサポートが必要な場合は、お近くにオフィスを構えるSimulTransのような専門の動画翻訳会社のご利用をご検討ください。
このブログ記事は最新の情報を反映するために更新されました。
執筆 Margarita Núñez
Margaritaは、SimulTransのデジタルマーケティングおよび事業開発プログラムを指揮しており、特に、ビジネスの成長を支えるデジタルマーケティング戦略の展開に注力しています。スペインの出身で、美術史の学士号とヨーロッパ研究の修士号を取得しています。