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動画ローカライズの基本

作成者: Margarita Núñez|2025/21/05

世界中で何十億人もの人がインターネットを利用している今、デジタル動画は最も効果的なオンラインマーケティングツールとなっています。今日では、毎日何百万人もの人がオンラインで動画を視聴しており、最もROIの高いコンテンツは動画だと考える企業が増えています。

会社が制作したマーケティング用のデモ動画や製品紹介動画、コンピューターベースのトレーニングなどをローカライズする必要がある場合、まずは動画をローカライズする際に使用される用語に慣れておきたいところです。

特に理解しておくべきなのは、動画そのものには手を加えず、ローカライズの対象となるのは音声の部分だという点です。まず、文字起こしをして元原稿のスクリプトを作成し、次に、タイミングを合わせるためにタイムコードを入れます。その後、自然な表現となるように翻訳(トランスクリエーション)し、最後に動画の尺内あるいは画面内に収まるように翻訳を短縮します。 ここからは、動画ローカライズの理解に役立つ基本用語をご紹介します。

音声吹き替え

基本的には、翻訳されたスクリプトをネイティブの声優が録音し、それを元の動画に統合します。動画の内容や予算に応じて、音声吹き替えにはいくつか選択肢があります。
  • ダビング
    これは、対象言語の声優の音声で元の音声を置き換える方法です。口の動きは合いませんが、吹き替えの音声はタイムコードで制御されているので、話し始めと終わりのタイミングが元の音声と一致します。音声吹き替えでは、最も一般的に利用されている方法です。
  • リップシンク
    これは「Lip synchronization」の略で、口の動きに音声を合わせることを表す専門用語です。ダビングと似ていますが、こちらは口の動きに合わせて吹き替えの音声を調整します。非常に手間と時間がかかるため、その分費用も高くなります。
  • 国連スタイルのボイスオーバー
    これは、元の音声の音量を下げ、その上に翻訳された音声をより大きな音量で重ねる方法です。元の話者の声も聞こえるため、話されている内容を翻訳した音声であることがはっきりとわかります。映像番組やインタビューなどでよく使用されます。

予算が限られている場合は、音声吹き替えを行わず、字幕を付けることも検討できます。 

字幕制作

基本的には、元動画のスクリプトを文字起こしし、視聴者が読みやすいように字幕を付けます。

  • オリジナル字幕
    動画に組み込まれた字幕が画面の下部に表示されます。字幕にはタイムコードが付いており、画面の内容と一致するように調整されています。  この方法では、字幕が動画に焼き付けられているため、視聴者が字幕をオフにすることはできません。
  • 翻訳字幕
    まず、元の動画のスクリプトを文字起こしし、それを翻訳してから短縮します。その後、翻訳された字幕が動画に組み込まれ、画面の下部に表示されます。字幕にはタイムコードが付いており、画面の内容と一致するように調整されています。  この方法では、字幕が動画に焼き付けられているため、視聴者が字幕をオフにすることはできません。
  • クローズドキャプション
    クローズドキャプションとは、字幕が非表示になっており、視聴者が選択したら表示される形式です(オリジナル字幕も翻訳字幕も同様です)。通常の字幕と変わりませんが、音楽や効果音などのセリフ以外の情報の説明も含まれており、視聴者が字幕のオンオフを切り替えることができます。

両方を使用:音声吹き替えと字幕

音声吹き替えと翻訳字幕の両方を採用することもできます。たとえばマーケティング動画では、視聴者に音声を聞いてもらうと同時に映像を見てもらう必要もあり、そうした場合に効果的です。また、聴覚に障害のある人にとっても適しています。

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編集者注:この記事は2016年4月に初掲載されたものですが、内容の正確性と完全性を保つために更新しました。