「さぁ、これですべての準備が整った。 翻訳を開始しよう」
ここで、あることを思い出します。
SEO(検索エンジン最適化)サービスプロバイダーが作成したSEOキーワードのリストがありました。ソースコンテンツでは、このキーワードを使用して、Googleでの検索順位が上がっています。
そこで、翻訳チームに次のように依頼します。
「まず、キーワードのリストを翻訳してもらえますか。用語データベースに追加するので、Webサイトのコンテンツを翻訳するときに使ってもらいたいんです」
「ええ、もちろんです。ただ…」
SEOキーワードは、自社のドキュメントやマーケティング資料、自社製品で使用したい用語とは必ずしも一致しません。
キーワードは、ユーザーが貴社の製品と同じような製品を検索する際に入力しそうな単語を想定して選ばれ、Webコンテンツ全体に組み込まれます。そのため、通常の用語とは異なる扱いをする必要があります。
「その点は承知しています。翻訳してもらえれば、用語データベースに属性を設定して、SEOキーワードであることがわかるようにするので大丈夫です」
単一言語の用語データベースであれば、それで問題ありません。
一方、翻訳したWebサイトでは、キーワードをそのまま翻訳しても同じ成果が得られない可能性が高いのです。 ドイツのユーザーは、貴社の製品と同じような製品を検索する際に異なる考え方をし、別の単語を使用するかもしれません。
したがって、Webコンテンツの翻訳時にキーワードが訳されることはあっても、翻訳後の文章の流れが原文ほど自然で魅力的にはならない可能性があり、最適なドイツ語のキーワードが使われているとも限らないのです。
ターゲット言語のキーワードを使用して望ましいSEO効果を得るには、新しい分析が必要です。SEOサービスプロバイダーに、ターゲット言語のSEOキーワードの作成を依頼してください。
また、翻訳後は別途編集作業を行い、翻訳したWebコンテンツにターゲット言語のキーワードを追加して、最適な検索結果が得られるようにする必要があります。その際は、あちこちのコンテンツをリライトすることになるかもしれません。
日本語のキーワードリストを見ると、観光や交通に関する自社のWebコンテンツへの注目を集めるには、「旅行のヒント」という用語をできるだけ活用したほうがよさそうです。
一方、ドイツ語のキーワードリストからは、「Urlaub(休暇)」という用語をできるだけ活用したほうがよいことが見て取れます。
そこで、両方の用語を用語データベースに追加し、「旅行のヒント」を「Urlaub」に対応づけることにします。
"アドバイスが必要ですか?あなたにぴったりの旅行のヒントをご紹介します"
"Sie brauchen Rat? Wir haben den besten Urlaub für Sie!"(アドバイスが必要ですか?あなたにぴったりの休暇をご用意しています)
これはあまり良い翻訳とは言えず、実際、意味的にも間違っています。
「旅行のヒント」の正しい訳語である「Reiseempfehlungen」を使うのが、おそらくより良いアプローチでしょう。たとえ、それがドイツ語のキーワードとして最適でなかったとしてもです。
そして、翻訳後の編集工程で、ドイツ語のキーワードを文章に挿入し、必要に応じて内容をリライトします。
"一休みしませんか?あなたにぴったりの旅行のヒントをご紹介します"
"Sie brauchen eine Auszeit? Wir haben den besten Reiseempfehlungen für Sie!"(一休みしませんか?あなたにぴったりの旅行のヒントをご紹介します)
"Sie brauchen Urlaub? Wir haben die besten Reiseziele für Sie!"(休暇が必要ですか?あなたにぴったりの旅行先をご提案します)
ここで、リライトした文を翻訳メモリ(TM)に反映させるかどうかを決める必要があります。
最後に重要なポイントを付け加えると、キーワードが有用なのは、検索エンジンのユーザーが実際に入力している限りだということです。 ユーザーの行動は時とともに変わる可能性があるため、コンテンツの更新とキーワードの活用、そして翻訳のバランスを取るのは簡単ではありません。
Webサイトの翻訳とSEOキーワードのローカライズは、最初から正しい方法で進めましょう。